「神様になった警察官」をテーマとした道徳の授業を、6月2日(火)には2年生で、6月9日(火)には1年生・3年生で行いました。
今回のテーマは、5月28日の日本経済新聞にも掲載された「増田敬太郎」という人物の話でした。
増田敬太郎は、1895年に伝染病のコレラが各地で流行していたとき、すでに蔓延していた佐賀県の高串村に赴任した警察官でした。コレラに対する知識がなく、予防もしていなかった住民に対して、感染防止の呼びかけや生水や生の魚介類を口にしないよう指導をするだけでなく、住民が嫌がったコレラ感染者の遺体の運搬や埋葬も行うなど、不眠不休で働きました。最終的に、増田本人がコレラに感染し、「高串のコレラは私が背負っていきます」という遺言を残し、25歳の若さで亡くなってしまいました。増田の死後、遺言どおり村ではコレラは収まりました。村の人は増田に感謝し、村を守ってくれた神として祀り、現在でも村の人たちから大切に思われています。
今回このテーマを選んだ理由は、125年前にこのような人物がいたことを知ってもらいたかったことと、現在は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が流行している中で、感染拡大を止めるために懸命に働いておられる方がたくさんいることを少しでも考えてもらいたいと思ったからでした。生徒の感想からは、増田敬太郎という人物の生きざまを通して、社会に貢献することの大切さを感じ、また現在感染症対策で活躍されている方たちに対し、感謝の思いを寄せることができた様子が伝わってきました。