3月2日(木)に挙行されました、令和四年度卒業証書授与式の卒業生答辞全文を掲載いたします。
答辞
日差しが日一日と温かさを増し、春の訪れを感じる季節となりました。令和5年の桜もいよいよ咲こうとしています。この良き日に私たちは卒業という日を迎えることができました。
本日は、先生方をはじめ、多くのご来賓の皆様、保護者の皆様、ご臨席を賜り、コロナ禍という状況のなかこのような盛大な卒業式を催していただいたことに、卒業生を代表して心より御礼申し上げます。また、理事長先生をはじめ温かいお言葉を頂戴いたしましたこと、重ねて御礼申し上げます。振り返ると、6年間という年月は瞬く間にすぎていきました。その中で、私たちは普段の日常がどれほど贅沢なものなのか、幸せなものなのかを、そして自分の身近にいる家族や先生、先輩後輩、友人の大切さを強く実感して参りました。
12年前、小学校入学の年には東日本大震災、そして3年前、中学校卒業、高校入学と共に新型コロナウイルスの感染拡大が起こりました。
私は津田学園小学校出身ですが、小学校の入学式の際に、理事長先生が東日本大震災について話されていたのをはっきりと覚えています。私は幼いながらも、その日からいつもの日常の大切さ、自分の周りにいる人の大切さを噛み締め、十二年間津田学園で過ごして参りました。
私たちの高校生活は常にマスクで口元を覆われていました。体育祭や文化祭ではたくさんの制限がありました。私たちは三年間、お昼休みにみんなで机を寄せて、一緒にお弁当を食べることがないまま今日を迎えました。私たちの一生に一度の高校生活は我慢ばかりの悔しいものだったと思うかもしれません。しかし、私の思い出の中の友人たちはいつも、最高の笑顔です。マスクで遮られていても決して奪われることのなかった彼らの笑顔は、何年経っても色褪せることはないと思います。そしてこれから先、その笑顔は私の生きる糧になると思います。どこにいくか、何をするかよりも、かけがえのない友人と過ごした時間そのものが私の津田学園での1番の思い出です。将来、決して思い通りにはいかなかった。高校時代の話をする時この辛い時代さえも懐かしみ、今までと同じ笑顔でそんなこともあったねと笑える日が来ることを願っています。
目の前の目標に向かって努力を惜しまない友人たちに出会えたこと、お互いに支え合い、高め合える友人たちに出会えたこと、お互いの幸せを共に喜び、悲しみに寄り添ってくれる友人たちに出会えたこと、そして彼らと同じ教室で学べたことは私の一生の宝物です。そして、こうした恵まれた環境で学べたのも、いつも暖かく見守ってくださる保護者の皆様と先生方のおかげです。卒業生一同改めてお礼申しあげます。津田学園で学んだ、津田の夢、津田の信念、津田の友情を胸に抱き、私たちは大きな空へ強く羽ばたくことを誓います。そして、この終わりの見えない時代に待ち受ける多種多様な問題を解決するべく、人と世界を思いやり、より良い未来を切り拓いていくことを約束します。最後になりましたが、私たちを見守り、導いてくださった先生方、いつも私たちを励まし、そばにいてくれる家族があって初めてこうして卒業の日を迎えることができました。卒業生を代表して私たちを支えてくださった全ての方に心より御礼申し上げます。
皆様のご健康と津田学園の輝かしい発展を願い、答辞とさせていただきます。
令和五年三月二日
津田学園高等学校 卒業生代表